国産の蜜蝋とオーガニックココナッツオイル、天然樹脂を大きなお鍋に入れて、ゆっくり丁寧に溶かしてゆく。混じりけがなくなり、きれいに溶けたら、お花の型にそっと流し込む。固まったら型から出して、次のロウを流し込んで…。一度に作れるのは18個。自然の香りが爽やかなオールナチュラルのサーフワックスは、こうしてひとりのサーファーガールの手から花ひらく。
Days surf wax(デイズ・サーフ・ワックス)は、宮崎在住のサーファー・竹中優さんが海のそばでひとつひとつ心を込めて作り上げている自然素材100%のサーフィン用ワックス。「使ってくれる人が、“可愛い!”って喜んでくれたり、女の子のサーファー同士で“何それー?”みたいな話題になったり。まずは可愛い、楽しいが入り口になって、そこから“このワックス、成分もナチュラルで地球に優しいんだよ”っていう感じに広まってくれたら嬉しいなぁと思って、形にもこだわりました」。
そう、Days surf waxのもうひとつの特徴は、お花の形をしたキュートなルックス! 手に取るだけで嬉しくなり、サーフボードに塗り始めた瞬間から今日のサーフィンをスペシャルなものにしてくれる。海の上でも、ふとサーフボードを眺めたり、指先で触れたりするたび、ふわっと幸せな氣分に。
大阪出身の優さんが、海とサーフィンを求めて宮崎に移り住んだのは今から4年前。自然がより身近にあるライフスタイルとなり、出会う人々も自然体でナチュラル志向の人が多くなったことから意識が変わり、環境問題についてもより深く考えるようになったそう。その意識がさらに高まったのは2019年。ハワイ島への旅がきっかけだった。
「2ヵ月間、ほぼキャンプだけでハワイ島を一周する旅をしたんです。小さなバッグに必要最低限のものだけ入れて、自然にずっと囲まれて、自然のリズムで暮らす。最初は物がないことが不便でしんどいっていう気持ちもあったんですけど、だんだん何もないシンプルな暮らしがすごく心地よくなってきて、朝、鳥のさえずりで目覚めたり、フルーツを食べているだけで”幸せー!”って思えたり、小っちゃな幸せに気付けるようになった。“何もない自分でもこんなに幸せを感じられるんや”って気付いたときに、外側からいろんなものを付け足さなくても、ここに自分がいるだけで幸せ。シンプルにそう思えたんです。このハワイ島の旅がよりナチュラルな暮らしに興味を持つきっかけになって、旅から帰ってきてすぐにワックスを作り始めました」。
その後、ジャングルの中で壁もないツリーハウスに住まう女性に出逢ったりもして(写真左)、衝撃を受けたハワイ島への旅を経て、
そしてこの年の夏の終わり、宮崎に戻った優さんは毎日サーフィンをする中で「作って、試して」を繰り返し、サーファーの友人たちにも協力してもらいながら、固さやグリップ、ボードに塗ったときのつぶつぶ具合や足裏へのひっかかりにいたるまで、機能性にもしっかりこだわった自然素材100%のワックスを完成させた。
優さんにとってサーフィンとは「自分と自然との距離を整えてくれるもの」。そして「人生で初めて、こんなにずっと続けていきたいって思ったもの」といい、最近はアロマテラピーの勉強に集中しながらも、リラックスタイムにはロングボードを楽しむ日々を送っている。聞けば次のワックスのアイデアもすでにあり、それはもう聞いているだけで使ったときの幸せが想像できてしまうとても素敵なものだったので、お楽しみに。
こうして、海とサーフィンを愛してやまない彼女の想いから生み出された美しい花は、今日も多くのサーファーたち足元を彩り支え、たとえ小さなかけらになって海に落ちても、溶けて砂に混じっても、爪のさきからシャワーに流されたとしても、自然の一部となって還ってゆく。
Days surf wax
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